平方根、三平方の定理、素因数分解……三角形や四角形と数字がズラリと並んだ教科書や参考書は、数学が苦手な方にとっては頭の痛いものかもしれません。
でも、そんな数学の問題の解説がマンガで描かれているとしたら……あの悩ましかった数学の時間が、楽しみに思えたかもしれません。今回はそんな「マンガで描かれた参考書」を実現した「平方根の物語」をご紹介します。
平方根の物語は、大学生の基礎学力を補うために行われる「リメディアル」という取り組みの研究の中から生まれました。マンガの原案部分は教育テスト研究センター連携研究員の周村諭里さんが作成し、東洋英和女学院の柳沢昌義教授が内容を監修、コミPo! によるマンガの部分を以前「マンガを活用して文脈を理解する力の研究を」でご紹介した東京福祉大学の竹内俊彦准教授が作成しました。
マンガの中では高校の数学で取り上げられる数学の中から、題名にもなっている平方根(いわゆる「ルート」)の問題を中心に解説しています。先生役のタカシと生徒役の楓、そしてツッコミ役の杏がうまい具合に掛け合いをしながら問題を次々に解いていきます。
シリーズは全10話、120ページ以上にものぼる大作で、シリーズ後半では実際のテスト問題と同じような内容を解いていきます。テキストで例題と解説が並ぶ従来の参考書よりも見やすく、1話ごとにテーマが決まっているので数学が苦手でもスイスイと読み進めることができます。
なお、このマンガは実際に学生に配布され、授業に使われるそうです。