原作付きマンガ、というと文字で書く人と、マンガを書く人は別、というのが一般的です。しかし、コミPo! があれば原作者がそのままマンガ版の作者になることも可能です。原作者がそのままマンガを作るわけですから、原作者の意図がきちんとマンガに反映されることになります。
今回はそんな「原作者がマンガを作った」という例として、オリジナルの小説をコミPo! でマンガ化したというzsphereさんの作品「夜桜とナリヒラ」をご紹介します。
ショッピングや映画を楽しみ、日もとっぷりと暮れた帰り道、とある公園に満開の桜の木があることに気が付きます。主人公の女の子と敬くんは花冷えの中、ふたりだけの夜桜の花見をすることになります。ふと、敬くんが口にした和歌。いくつかの歌を耳にするうちに、主人公は自分の気持ちが揺れ動いていることに気がつくのですが…。
オリジナルのストーリーはzsphereさんが以前発表した掌編小説です。主人公の心理描写を描いたコマが多数登場しますが、セリフのあるコマにうまく組み合わさっていたり、印象的な背景や透過キャラクターとうまく組み合わされています。
また、小説とマンガとでベースとなるストーリーは同じですが、セリフの言い回しが若干違っていたり、細部のディテールの説明のあるなしなどの違いがあります。両方を読み比べてみると、表現がどう違うかが見えてきます。
特に、マンガの10ページには主人公が桜に向かっているシーン(表情は見えない)がありますが、ここは小説とマンガとで読み比べていただきたいところです。ぜひ一度、ご覧ください。
【中の人】