美術出版社より毎月発行されているアートの現在(いま)を伝える美術雑誌「美術手帖」の8月号に長嶋有さん作の「フキンシンちゃん」の最新作が掲載されています。2年ぶりに帰ってきたフキンシンちゃんのサブタイトルはスバリ『「帰ってきたフキ子ちゃん」の巻」です。
フキンシンちゃんは芥川賞・大江賞受賞作家の長嶋 有さん作の「ほのぼの・日常・ちょっとブラック」な作品です。謎の多い女子高生・蕗山フキ子(フキンシンちゃん)の姿を、友人の君尾ミル子(ミル子ちゃん)の視点から描く作品で、2012年の春には単行本も発売されています。
今回の作品は連載時のストーリーからしばらく経ってからのお話。突然ミル子ちゃんの前から消えてしまったフキ子ちゃんですが、そのことでミル子ちゃんにもちょっとした変化があったみたいです。
ミル子ちゃんやフキ子ちゃんだけでなく、モブキャラたちも冒頭から多数出演しています。また、連載時にも話題になったミル子ちゃんのお風呂シーンが今回もちょっとだけ登場したりと、フキンシンちゃんファンには嬉しい演出が盛り込まれています。
また、本編では透過コマなどのテクニックを使った表現が数多く使われています。
右のような表現が難しい「抱き合う」シーンでは、寄り添った3Dキャラクターに透過コマで作った手だけのパーツと、それに重ねるように吹き出しを重ねるという手法をとっています。
他にも真後ろの立ち姿にかっぽう着の背中部分の画像を重ねてかっぽう着を来ているように見せるなど、細かいテクニックも使われています。
美術手帖は美術出版社より本体価格1,600円で発売中です。