目の変形機能も搭載し、キャラをポッとは作れなくなった「コミPo! Ver.4」を公開しました

もうすぐ発売12周年を迎えるマンガデザインツール「コミPo!」(日本語版)の「Ver.4.00」を本日公開いたしました。ユーザーの方は無料でオンラインアップデートできます。

コミPo! の起動時に「「コミPo! アップデート」が自動的に開かなかった場合は、「ヘルプ」メニューから実行してみてください。

こんにちは、コミPo! 開発ディレクター兼プログラマー兼いろいろの小野知之です。
プレスリリースではなくてブログですので、軽い気持ちで私から最新版「Ver.4」について紹介させていただきたいと思います。

「変形機能」ということで振り返ると、「2D画像変形」「コマ変形」に対応した「Ver.3.00」をリリースしたのが2015年末の5周年のときでした。その後、更にアップデートで「口の変形(2016年 Ver.3.10)」「眉の移動(2020年 Ver.3.50)」などに対応し、3Dキャラ関連でも少しずつ自由度を拡張し続けてきました。
そして今回、ようやく「目」の形と位置を編集できるようにしました。口や眉は「表情表現の拡張」でしたが、今回は「キャラメイクそのものの拡張」です。長年言われ続けてきた「顔のバリエーションが少ない」という弱点を克服しつつ、「絵柄が少々古くなってしまったのでは」というご意見への解決にもなる大きな機能強化となりました。

そこで今回は、思い切ってプリセットキャラの顔も雰囲気を一新。新たな気持ちでメジャーバージョン番号を「4」にアップしました。
なにしろ発売からもう12年も経ってしまったソフトです。遥か昔の「コミPo!」しか知らない人もたくさんいることでしょうから、そういった皆さんに、「えっ、まだメジャーバージョンアップあるの!?」「あれ? 顔の雰囲気が変わったね」「うわ~機能が凄い増えてる!」「800円って嘘だろ…」などと、改めて注目して貰えたらいいなと思っています。(その割りには露出が地味ですが…)

もちろんいつものように、他にも機能追加や改良などもありますので、順に紹介していきます。

3Dキャラクターの目の変形に対応

キャラの目の形と位置を編集できるようにしました。「キャラクター作成・編集」で、サイズ・形状・上下位置・左右間隔の4つを変更できます。

他の目のパターンや男キャラも同様に、こんな感じに変えられます。特に男キャラは「目が大きすぎる」と言われて来たので、この機能で「化ける」のではないかと思います。

目の形は、「サイズ」を10段階、「形状(縦横比)」を8段階に変更できます。オリジナル(Ver.3.52以前)は「サイズ=10、形状=8」と同じです。また、「形状=1」にすると瞳が真円になります。
ズラっと並べるとこんな感じです。右下隅の顔がオリジナルです。

目の「上下位置」(-20~+5)「と左右間隔」(-5~+5)も変更できます。年齢表現や絵柄の好みに合わせて調整してみてください。

また、キャラメイクのバリエーションを増やすだけでなく、表情の拡張(目を細めるなど)に応用することも可能です。「表情変更」ダイアログからも目を編集できるので、いろいろ試してみてください。

なお、表情変更で目を細めると、瞳の中心位置が上に移動するため、キャラの顔の雰囲気が大きく変わってしまうことがあります。このような場合は「上下位置」で位置を下げると良いです。また、眉の位置も目に合わせて下げることができます。

ところでこの「目の変形」の機能は、元々こういう使い方を一切考慮していない13年以上も前のデータ構造を無理やり改造して拡張し、実現しています。そのため、位置やカメラアングルによっては「はみ出す」「めり込む」などの問題が発生することがあります。そのような場合は、設定値やアングルなどを調整しながらお使いください。

その他、制限や注意点などについては、「アップデート情報」のページをご覧ください。

プリセットキャラクターの雰囲気を一新

「こみぽ」「てつひさ」やコミコレの収録データなどの「プリセットキャラクター」の目の形と位置を調整し、顔の雰囲気を一新しました。キャライラストの絵柄のトレンドは年々変化していきますので、これで少しは昨今の雰囲気に近付けたのではないかと思います。

もちろん、あくまでもこれは「初期設定値」なので、更に自分の好みに合わせて編集することも可能です。逆に「Ver.3.52までのままでいい」という方のために、一括で元のキャラ設定に戻す設定も「環境設定」-「素材」ページに追加してあります。

その他、制限や注意点などについては、「アップデート情報」のページをご覧ください。

フキダシのしっぽを追加

新たに5つのパターンを追加しました。

「フラッシュ左」「フラッシュ右」は、怒鳴り声や、スピーカーからの音などの表現でよく使われるしっぽです。

また「泡」は、元々あった「丸」しっぽと同様に、モノローグのセリフなどで使うものです。「丸」はフキダシ本体の形(縦横比)を維持するため、細長いときに潰れてしまうという問題がありましたが、「泡」は常に真円なのでこの問題は発生しません。

更に、「もっと太いカーブしっぽも必要」というご意見に応え、「太カーブ左」「太カーブ右」も追加しました。

「テキストコピー」機能を追加

しばしば頂いていた要望の一つに、「コミック中のフキダシなどのテキストだけを出力できるようにしてほしい」というものがありました。これができれば、音声読み上げ付きの動画作成などの作業効率が向上することでしょう。
そこで、新たに「テキストコピー」機能を追加しました。

フキダシやコマなどのコンテキストメニューから「テキストコピー」を実行すると、選択しているレイヤー(未選択ならページ全体)からテキストレイヤーを検索し、文字列をまとめてクリップボードへコピーできます。あとはテキストエディターなどへ貼り付けるだけで、様々な用途に使えます。
キーボードで「Shift+X」キーを押すだけで実行できるので、多用する場合も便利だと思います。

編集画面で「高精細3Dレンダリング」表示に対応

環境設定の「3D描画」で「編集画面で3Dレイヤーの表示画像を高精細にする」をONにすることで、3Dレイヤーの表示画質が向上します。

また、このときは「3D輪郭線強調」設定で輪郭線の太さを調整可能です。 「画像ファイル出力」ダイアログの値と同じにしておくと、編集画面と画像ファイル出力の見た目をほぼ同じにできます。

この機能には、「コピー」および「合成透過イメージコピー」で表示イメージをコピーする場合に、コピー画像が高精細になるという利点もあります。

ただし、この機能をONにすると、使用メモリー量とCPU/GPU負荷が増大します。「3Dレイヤーが表示されない」「動作が遅くなってストレス」などの問題がある場合はOFFにしてください。
なお、この機能は、あくまでも編集画面の表示を変えるだけのものなので、画像ファイル出力およびコミックファイルの内容へは一切影響しません。

3Dアイテム「ゴーグル」の追加

3Dアイテムの「04.生活」に「ゴーグル」を追加しました。医療・作業・スポーツなどの用途で使えるよう、6色用意しています。

キャラには「パーツ変更」の「頭の追加パーツ」で「頭上アイテム」に設定することで装着できます。最適な設定値は下記です。

女: 位置Y=-95
男: 位置Y=-102、サイズ=+1.5

その他の主な改良点など

その他、今回の大きめな改良点などには、下記のものがあります。

  • 3Dアイテムの「モデルのチェンジ」で、カメラアングル(3D回転、3Dズーム)の状態をリセットせずに引き継ぐように改良しました。特に動物キャラで、別の色や別のポーズへ入れ替えたい時に便利になると思います。
  • 3Dキャラクターの「表情変更」における「右眉上下」「左眉上下」の最小値を「-20」に拡張しました。目の位置を下げた場合に、眉毛も一緒に下げて合わせられます。
  • 編集可能な最大ページ数を99へ拡張しました(従来は64)。ただし、レイヤー数やユーザー画像数が多いと、編集操作やコミックファイルの読み書き速度が大きく低下する場合があるので、「重くなったかな」と感じたらファイルを分けるほうが良いと思います。
  • プリセットスナップに「●テンプレ_年賀状素材2023」を追加しました。実は12年前は「スナップ機能」がまだ無かったので、卯年の年賀状素材は初収録となります。なお「うさぎ_2」に臼が無いのは私のミスで、今頃気付きました(手遅れ)…。申し訳ありません!

その他、制限や注意点などについては、「アップデート情報」のページをご覧ください。

最後に

今回のアップデートにあたっては、開発途中版を「非公式β版」として公開し、30名近くもの方にお試しいただきました。おかげで数多くのご意見や不具合報告などを頂くことができ、皆さんの「生の声」に近付けるアップデート内容になったのではないかと思います。ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
公式ブログで非公式の話を書くのもどうかとは思いますが、今後のアップデートでも、またこのように先行して「非公式β版」をお試しいただけるようにしたいと考えています。

これからもコミPo! をどうぞよろしくお願いします!

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