漫画の描き方(3) 4コママンガを描いてみよう

「設定を考えよう」「ストーリーとコマ割を考えよう」と続けてきた「漫画の描き方」シリーズ。今までは、どちらかと言えばある程度ページ数を使うストーリー物の描き方を考えてきました。

ただ、「いきなりストーリー物」という事に抵抗を感じる方も多いと思います。また、壮大なストーリーを作ってはみた物の、制作途中でだれてきてしまい、結局ラストまで話が描けなかった、というのも珍しくない話です。(私もこのタイプです…)

そんな人でもきちんと1話完結のストーリーを作れるマンガがあります。漫画の描き方、3回目のテーマは新聞や専門誌などでもおなじみの「4コママンガ」です。

マンガの描き方3 4コママンガサンプル■4コママンガの展開の基本

まず、サンプルがあまり面白くなくてすいません。しかも、よくよく考えたら消える魔球は2号でした(´・ω・`)

前回は「序破急」という3段構成での展開をご説明しましたが、4コマ漫画の場合は「起承転結」という4段構成でストーリーが展開します。

この構成で重要なのは3つめの「転」の部分。文字通りストーリーが大きく変化する部分で、この部分でぐっと持ち上げておいて「結」の部分で落とす、というのが「起承転結」の構成の特徴であり、醍醐味でもあります。3コマ目と4コマ目との展開が大きければ大きいほど、読者にインパクトを与えることができます。

ただし、「起承転結」というのはあくまで基本のお話。実は最近の4コママンガは起承転結という枠に収まらない物も増えてきていたりします。

■4コママンガ=起承転結とは限らない?

新聞や4コマ専門誌など、4コママンガは様々な所で目にすることができますが、色々と見てみると展開に様々なバリエーションが存在します。例えば3コマ目にも「承」が来て、4コマ目で「転結」をまとめて見せるという、どちらかと言えば3段構成に近い作品も多かったりします。

また、2段オチ、と呼ばれる4コママンガもあります。3コマ目で一つ目のオチが来て、4コマ目で二つ目のオチが来るという構成です。「起承結結」とでも言えば良いでしょうか。

その他、3コマ目にオチが来て4コマ目にそのオチへのツッコミが描かれていたり、全コマ不条理な内容が入っているものもあったりとバリエーションは様々です。

ただ、闇雲に作っても4コマに収まらない事が多いので、いきなり作り始めるとドツボにはまってしまいます。大まかなストーリーを考えて、それを4コマに凝縮するやり方や、まずオチを考えてそこにたどり着く為の「起」を考えるというやり方など、4コマを作る方法は様々です。自分にあったやり方で4コマを作ってみましょう。

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■4コママンガからストーリーマンガへ

ストーリー物の場合、序破急の「序」の部分である程度キャラクターや世界観などを読者に説明する事ができます。しかし、4コママンガの場合、冒頭の部分は1コマ分、全部合わせても4コマしかありませんから、1本の作品だけで伝えきるのは難しくなります。

もし、4コママンガを連載の形で展開するつもりなのであれば、設定をを何回かに分割して紹介していくのがいいでしょう。例えば第1話で主人公が登場し、第2話目で友達やライバルキャラが登場するなど…4コママンガをいくつかセットにしてストーリー仕立てにする、というわけです。最近増えてきている「萌え系4コママンガ」などでは、この手法で世界観や人物の紹介を行っています。

そしてこの手法はストーリーマンガの描き方にもつながってきます。ストーリーマンガを細かい4コマの集合体と考えれば、「4コマが描ければストーリー物も描ける」という事にもつながってくるのです。

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■キャラクターの位置関係

4コママンガの描き方に限った話ではありませんが、あるシーンを複数のコマで見せるときには「イマジナリーライン」というものを念頭に置くと良いでしょう。これは2人の人物を結んだ仮想的な線の事です。

下のサンプルをご覧下さい。上の4コマの1コマ目と3コマ目だけ抜粋しています。左がイマジナリーラインを考慮せずキャラクターを配置した場合、右が考慮して配置した場合の例です。

漫画の描き方 4コママンガサンプル2イマジナリーラインを考慮しないと、二人がどういう位置関係で立っているのかが分かりづらくなってしまいます。こみぽちゃんがかなめちゃんに向かってボールを投げる訳ですから、当然相対している事になりますよね。ですから、それぞれのアップのシーンでもそれを踏まえた配置にする必要があります。キャラの配置を意識することで、違和感のない作品を仕上げることができます。

テンポ良く読める事も、マンガの重要な要素の一つです。位置関係一つ取っても読者に「おや?」と思わせないような工夫が必要です。

漫画の描き方第4回「初心者がやってしまいがちなこと」はこちら

本記事はコミPo! パーフェクトガイド(アスペクト刊)」を参考にさせていただきました。本の方では構図の話など、さらに詳しい説明が掲載されています。

【中の人】

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